私の数少ない特技
愛想がそれなりにいいである。
昔接客のバイトで初対面に対して愛想全開にする技を身につけて、今に至っている。
なのでファーストコンタクトはやりやすい。
ただ、そのあとは私の人間の底が猛暑で干からびた小川のような浅さのため、あっという間に尻すぼみしていくという残念なところもあるが。
しかし、とりあえず愛想を振っておけばなんとかなると思い今日まで生きてきた。
今日、お客さんが見えた時にふと思ったのだ。
いつまでこの愛想を振りまく作戦で行くのだと。
これが若い男の子、女の子であれば見ている方達もほんわかした気持ちになるであろう。
しかし、我は中年ぐらいの年である。
えーほんとですかー
わーすごいですねー
そんなことを、中年がかましているのである。
ぶりっこである。まさにぶりっこ。
痛いどころではない。ゲボが出るくらい気持ち悪いのではないか。
お食事中のところ大変失礼。
これはいかん。このままだと、愛想だけ振りまいて何にも上積みがない、甘えん坊で何もできない中年になってしまう。
甘えん坊中年である。
暴れん坊将軍とは天と地の響きのカッコ悪さである。
もしかしたらかわいいと言ってくれる人もいるかもしれないが、それはもはやくそボール球をホームランにするぐらいのぶっとんだ人である。
例外もいいところだ。
初老にもなって甘えん坊を迎えた日には地獄絵図である。
しかし、この愛想を全て捨ててはもったいない。
なのでこの武器は活かしつつ、少し攻撃的に接することにした。
もちろん、相手に失礼のないように。
けっこうな手応えを感じた。
ドラクエでいうガンガン行こうぜが身についた。
ててててってってー
暗黒さんのレベルが上がった。
私ははぐれメタルのような経験値を落としてはくれない。
しかし、はぐれメタル並みに逃げ足が速い。
落とす経験値は不快な経験値なのだ!!!
こんなことを言っているから尻すぼみしていくんですよね。
まあこんな年でも気づきがあるのがおもしろい。
最近本を読む量を増やしたからなのかな。
そしてみなさま、ぶりっこ卒業はお早めに。
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